財産の差し押さえ、その実態に関して 未選択 2013年07月24日 自己破産といえば人生が破滅する、普通の暮らしができなくなる、という暗いイメージがどうしても付きまといます。なぜなら自己破産をすると財産を全て差し押さえられてしまい、生活の立て直しが困難になると考える人が多いからです。それでは「財産の差し押さえ」が実際にはどういうものなのか説明していきましょう。まず第一に、財産の差し押さえとは、債権者に借金を少しでも返済できるようにする為の措置であり、自己破産した人を苦しめるためではないのです。ですから生活していくのに最低限必要なものは差し押さえの対象外となります。例えば99万円以下の現金については差し押さえの対象になりません。でも現金でなければならないので、銀行に預けてある場合は別です。また銀行の残高は20万円以下までは差し押さえ禁止ですから、合計すると119万円のお金は手元に残すことができます。また、家財道具類も多くが差し押さえ対象です。具体的にはテレビ、ビデオデッキ、ラジオ、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、箪笥等であります。意外なところで漫画、DVD、CD、ゲーム等の娯楽品も差し押さえが禁止されています。そして仕事の関係上必要となるものや、身体の援助する器具(義足や車椅子など)、必要不可欠な衣類も対象外となっているのです。これは民事執行法の131条に、差押禁止財産として詳しい内容が記載されていますので、自己破産を申請前に一度確認するのをお勧めします。また勤め先がある方は給料のおよそ4分の1、予想される退職金の4分の1が没収される場合があります。しかし破産の手続きを開始した後に得た収入については全て破産者のものなので安心してください。財産の差し押さえしますと、生活保護や年金などの支給に影響がでるのでは、と思う人も多いですがそれも誤解なのです。生活保護や年金を受ける権利は法律によって守られていますからきちんと手続きをすれば受けられます。でも差し押さえの対象を知人に預けたり、秘密の預金口座に現金を隠したりするなら、悪質な資産隠しとされ、最悪の場合、自己破産の免責が受けられなくなくなります。こうなると元も子もありませんから、所有している財産はしっかり申告しましょう。以上のように財産の差し押さえといいましても家の中の家財道具が全て持っていかれるようなことはありません。競売にかけてお金にならないようなものについては基本的に没収する意味がないからです。個人的に差し押さえられたくないものがあった場合、差し押さえの対象になるかならないか、お近くの司法書士事務所などに相談してみるのも有効です。 PR